2011年03月16日
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東証 売りの連鎖 福島第1原発事故が追い打ち
毎日新聞 3月15日(火)23時12分配信
日経平均株価の推移(終値ベース)
15日の東京株式市場が暴落したのは、東日本大震災による日本経済の先行き不安に、福島第1原発の事故に伴い放射性物質が拡散する問題が追い打ちをかけたためだ。日銀による追加金融緩和や連日の大規模資金供給にもかかわらず、投資家心理は急速に悪化。15日の米欧株式市場も大幅安で取引され、「日本発の危機」が海外に波及し、世界同時株安の様相となっている。
15日午後0時半、午後の取引が始まった東京株式市場はパニックに陥った。午前の取引終了直後、菅直人首相が放射性物質の漏えい拡大の危険性に言及したためだ。生産や物流の停滞懸念を受けて「すでに不安が広がっていた市場で火に油を注いだ」(山田勉カブドットコム証券マーケットアナリスト)。午前の取引の下げ幅は620円だったが、先物の急落につれて売りが売りを呼ぶ展開となり、午後の取引が始まって約10分で下げ幅は1000円超、約30分で1300円超と投げ売り状態になった。
日銀は14日に追加緩和を決定し、銀行などが資金取引する短期金融市場に過去最大の15兆円を即日供給。15日も8兆円を供給したが、市場の不安沈静化にはつながっていない。
ドイツ証券の神山直樹チーフエクイティストラテジストは「市場の一部が、放射性物質の拡散によって、日本経済の中枢である首都・東京の経済機能がまひするリスクを織り込み始めた」と指摘。15日の東京債券市場では、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが一時、1.145%と約2カ月半ぶりの水準に急低下(価格は急上昇)した。「比較的安全な国債市場にパニック的に資金が逃げ込んだ」(市場関係者)とみられる。
15日のアジアや米欧の株式市場も全面安の展開となり、英独仏の株価は朝方に前日比2~3%安。ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は一時、前日終値比296.91ドル安の1万1696.25ドルに急落し、取引時間中としては約2カ月ぶりの安値をつけた。福島第1原発の原子炉を納入したゼネラル・エレクトリック(GE)は一時、前日比6%安。市場では「リーマン・ショック級の危機が世界に広がる瀬戸際」(中堅証券)との警戒感が強まっている。一方、15日のニューヨーク外国為替市場では、円相場が一時、1ドル=80円台後半に上昇し、日経平均株価をさらに押し下げかねない。
与謝野馨経済財政担当相は15日、記者団に「やがて落ち着きを取り戻す」と平静を装いつつも「時期尚早だが思い出しておく必要がある」と自民党政権時代に検討された50兆円規模の株式買い上げ機構構想を持ち出して市場をけん制した。
東証の斉藤惇社長も投資家や証券会社に「冷静沈着で秩序ある対応」を呼びかけるコメントを発表し、沈静化に必死だ。しかし、今後の株価は「原発が安全宣言を出せるかどうか」(アナリスト)次第になりそうで、底は見えない状態だ。【田所柳子、大久保渉、ワシントン斉藤信宏】
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東証:NY証取とネット接続 取引量拡大へ検討合意
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110315-00000033-maip-brf
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東証 売りの連鎖 福島第1原発事故が追い打ち
毎日新聞 3月15日(火)23時12分配信
日経平均株価の推移(終値ベース)
15日の東京株式市場が暴落したのは、東日本大震災による日本経済の先行き不安に、福島第1原発の事故に伴い放射性物質が拡散する問題が追い打ちをかけたためだ。日銀による追加金融緩和や連日の大規模資金供給にもかかわらず、投資家心理は急速に悪化。15日の米欧株式市場も大幅安で取引され、「日本発の危機」が海外に波及し、世界同時株安の様相となっている。
15日午後0時半、午後の取引が始まった東京株式市場はパニックに陥った。午前の取引終了直後、菅直人首相が放射性物質の漏えい拡大の危険性に言及したためだ。生産や物流の停滞懸念を受けて「すでに不安が広がっていた市場で火に油を注いだ」(山田勉カブドットコム証券マーケットアナリスト)。午前の取引の下げ幅は620円だったが、先物の急落につれて売りが売りを呼ぶ展開となり、午後の取引が始まって約10分で下げ幅は1000円超、約30分で1300円超と投げ売り状態になった。
日銀は14日に追加緩和を決定し、銀行などが資金取引する短期金融市場に過去最大の15兆円を即日供給。15日も8兆円を供給したが、市場の不安沈静化にはつながっていない。
ドイツ証券の神山直樹チーフエクイティストラテジストは「市場の一部が、放射性物質の拡散によって、日本経済の中枢である首都・東京の経済機能がまひするリスクを織り込み始めた」と指摘。15日の東京債券市場では、長期金利の指標となる10年物国債の利回りが一時、1.145%と約2カ月半ぶりの水準に急低下(価格は急上昇)した。「比較的安全な国債市場にパニック的に資金が逃げ込んだ」(市場関係者)とみられる。
15日のアジアや米欧の株式市場も全面安の展開となり、英独仏の株価は朝方に前日比2~3%安。ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均は一時、前日終値比296.91ドル安の1万1696.25ドルに急落し、取引時間中としては約2カ月ぶりの安値をつけた。福島第1原発の原子炉を納入したゼネラル・エレクトリック(GE)は一時、前日比6%安。市場では「リーマン・ショック級の危機が世界に広がる瀬戸際」(中堅証券)との警戒感が強まっている。一方、15日のニューヨーク外国為替市場では、円相場が一時、1ドル=80円台後半に上昇し、日経平均株価をさらに押し下げかねない。
与謝野馨経済財政担当相は15日、記者団に「やがて落ち着きを取り戻す」と平静を装いつつも「時期尚早だが思い出しておく必要がある」と自民党政権時代に検討された50兆円規模の株式買い上げ機構構想を持ち出して市場をけん制した。
東証の斉藤惇社長も投資家や証券会社に「冷静沈着で秩序ある対応」を呼びかけるコメントを発表し、沈静化に必死だ。しかし、今後の株価は「原発が安全宣言を出せるかどうか」(アナリスト)次第になりそうで、底は見えない状態だ。【田所柳子、大久保渉、ワシントン斉藤信宏】
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