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成長基盤支援の効果、総合評価に機が熟さず＝西村日銀副総裁
ロイター 12月2日(木)16時18分配信
１２月２日、西村日銀副総裁は講演で、６月に打ち出した成長基盤支援のための資金供給について総合評価は尚早との考えを示した。写真は都内の日銀本店。１０月撮影（２０１０年 ロイター/Kim Kyung-Hoon）
［東京 ２日 ロイター］ 日銀の西村清彦副総裁は２日、経済産業省関東経済産業局主催の「金融・産・官・学」連携シンポジウムで講演し、ことし６月に打ち出した成長基盤支援のための資金供給について「まだ始まったばかりのため、その効果を総合的に評価するにはまだ機が熟していない」と述べた。
＜金融機関は過度に不動産担保重視、売掛債権などの活用に潜在余地＞
西村副総裁は、日本経済は物価安定のもとでの持続的成長経路への復帰という景気循環的な課題と、中期的な成長力の底上げという経済構造上の課題に直面しており、「現在多大な困難にある」と指摘。解決のためには、企業と金融機関、政策当局の連携が不可欠と述べた。
その上で副総裁は、中長期的な成長力の底上げには、金融機関の役割が重要だが、バブル崩壊以降に不動産担保・個人保証による保全を過度に重視する傾向から、新企業や新事業を発掘する「目利きの力」が弱まっていると指摘、融資慣行の見直しを提唱した。
具体的には「売掛債権や在庫商品、機械設備等、企業の事業キャッシュフローと密接に関係する債権や動産を担保にとって融資を行う方法がある」とし、これらを活用した融資市場残高は「米国に比べるとまだまだ限定的であり、一段と拡大するポテンシャルは大きい」と強調。
そのような金融機関の前向きな融資活動をサポートするため、ことし６月に成長基盤強化のための資金供給を打ち出したと説明した。
（ロイターニュース 竹本能文記者）
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